〜 2. 右手・ボーイング 基本〜
〜 2−2.運弓 ボーイング〜
弓の動かし方(ボーイング)の基本です。
弓と弦の位置関係
弓をもって左右に弦をこするだけなのですが、とりあえずポイントは下図に示すように
・弦と直交するように左右に動かす
・場所は駒と指盤の中間あたり
・弓を立てる角度は弦に対して垂直に、毛が弦に全部触れるほうが良い
・弾き始めから終わりまで四角い均質な音になるように
ということに気をつけましょう。
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*地面に対して垂直という説もありますが、あまり寝かせないほうが良い。
(実際は自然と幾分指盤側に「少しだけ」傾きますが、、、。駒側に
倒すことは無い!!)
はじめは、しっかりとした音を出せるように、弦に対して垂直に毛を全部付けて、
立てて弾いたほうが良い。寝かせると弦に対する力の伝わり方が斜めになるため、
圧力の伝わり方が傾ける分減少しますので、癖にすると将来、均質な音、強い音が
出しにくくなります。
また、ずっと寝かせた弾き方でガリガリやっていると、
弓のスティック(木の部分)をこすって削れてたり、横方向に曲がって変形して
しまったり、など弓を傷めます。寝かせて弾く弾き方は、表現の仕方の
ひとつと思って、後ほど・・・
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練習2−2 開放弦全弓

音符は2−1と同じ。しかし、今度は上で述べた「まっすぐに弓を動かす」
ことに注意を払うこと。常に弓の持ち方が正しいこと。
基本として、まっすぐ四角い均質な音を出せるようにしましょう。
メモリ0から垂直に音が立ちあがってボリューム一定
で動かし、弓を止めるときもピタッと0に落ちる。図と言葉でいうと
そんなイメージ。
* ボーイングに関する、音質の問題点についてはこちら
弓の角度・位置・圧力・速さの関係を参照ください。
力まずに弓を動かそう!
次に、気をつける点は、右手の力が入らないように、ということ。
(「脱力」といっても、ただタコのように、だら〜とさせるのではないです。
しなやかに、柔軟にと言ったほうが良いでしょうか。)
・弓を持つ指が力むと、指の関節がつぶれて余計弾きにくくなります。
楽に軽く持って、押さえつけないで「横に動かす」程度で十分音が出ます。
・肘の関節が硬いと、弓が方を中心に円運動をえがき、弓がまっすぐに動きません。
・前章で説明した弓の持ち方は常に正しいか。
- 肘が落ちたり、上がりすぎたりしてないか
- 手首がへこんだり、出っ張たりしてないか
- 指がつぶれてまっすぐになっていないか。つまんだような浅い持ち方になってないか。
- 親指の関節は丸くなって、中指の第一関節をむいているか
(前ページの持ち方を参照)
腕の重みを実感する
綺麗で大きい音を出すのに腕力がいるか?
ウェイトトレーニングする必要があるとか思われるかもしれませんが、
マッチョになってもだめです。確かに太っている方が大きい音が出るような気がしますが。
腕の重みの乗せ方のイメージを次の写真の様に机のへりを使って感じてみてください。
机の前に座って、指だけをテーブルに乗せてみてください。
OK
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NG
左のように、手首を弓を構えるような形にして、机を少し押し下げるように
圧力を下にかけてみてください。自然と指に力が加わるかと思います。
単に筋肉を付ければよいと言うのではなく、必要な筋肉はこの姿勢で力を加えても、
手や指がつぶれないということが大切です。
そのときに肘を上げすぎたり、手首が下がると右のようにつぶれた形になってしまいます。
ピアノを弾くときに似ているかもしれません。
弓先まで動かせない!
体格の差もあると思いますが、弓がどうしても先まで行かない人は、
今は無理をしないで弓が弦に対して垂直に動かせる程度まで
にしておいてください。
ただし、次のことをチェックしてみてください。
・チェロ本体の構え方。楽器がずり下がっていると、弾く位置が下がってしまうので
手が下に伸びる分、弓先がつかえません。少し、体に引き寄せるようにしてみてください。
エンドピンが短すぎる、長すぎるかもしれません。
・チェロ本体の向きが左を向いているかもしれません。少しチェロの向きを
右側に傾けて(回して)みてください。
弓がまっすぐに動かせない!
まっすぐなボーイングにするための、矯正方法。
経験者でも悩んでいる方は次ページの方法を試してください。
鏡を見ながらするのが良いでしょう。
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右手・ボーイング BOWING その3