〜 3−8.ビブラート 〜 

ビブラートの仕方を説明するのはかなり難しいです。 人それぞれやり方が異なるので何例か載せますので 自分にあった方法を探してみてください。 (海外の音楽院ではビブラート理論があり習うという話なのですが、 残念ながら私はその内容をまだ知らないのです。勉強せねば!)
大事なことは、「指の形を崩さないこと(はじめは寝かせたりしない)」 「均等にかけること」です。
では、さっそく動かし方を何通りか示しましょう。
恐らくたいていの人は2指(中指)が取り掛かりやすいのでしょう。
まず、A線のレあたりに指を置きます。



a.ネックに沿って上下に滑らす

上下に腕を動かす感覚をつける練習です
軽くA線とかC線とかに指をのせます(押さえずに)。 例えばA線でレを使うとすると、ファからシ♭の範囲で 弦に滑らすように上下させましょう。うでは楽にリラックス。
スースーと滑らかに動かしますが、このときにひじがあまり動かない 方がよいでしょう。(がっしり固定するということではありません)
上下に滑らすことで指の形が変わらないように。普通に押さえるときと 同じ形で動かします。 そして、だんだんその動きを短くして(レの前後で)、レの音で ビブラートをかけてみます。

b.2指を押さえ4指を押さえるように動かす

腕を回転させる感覚をつける練習です
同じく2指でレを押さえます。しっかりと押さえたいですが、 力みすぎて親指までつぶれてしまうことのないように。 1指も必ず押さえましょう。
4指でミを押さえるつもりで、2−4−2−4−2−4・・・と 繰り返してください。
弦に沿って縦方向へ回転する感覚を覚えます。 また、4指を意識することで左手の形が崩れるのを防げます。
同じく、1指で、3指(1,2指も一緒に押さえる)で ゆっくりからだんだん速く動かしてください。 もちろん、指がつぶれたり寝たりしないように、あくまでも 弦に対して垂直に各関節がつぶれないように基本の形をキープします。

c.右手で強制的に動かす

なかなか思うように左手が動かない場合の方法。
左指を全部A線上にならべます。つぎに、右手で 写真のように左手甲をつかみ回転運動を強制的に おこします。何回か行うと左手がその動きを覚えてくれます。 (怪しいやり方ですが、思いのほかきれいなビブラート ができるようになる人続出! ほんとです!)
動画

d.親指に力が入ってしまう

基本の形で指を弦上に並べます。親指を5mmだけネックから 浮かせてビブラートを試みてください。腕を楽にしてb、cの 手法をやってみます。あくまでも指の形は崩さず弦に対して 直角に関節がつぶれないように。


ある程度それらしくビブラートができてきたら

「回数と大きさをコントロール」できるとよいでしょう。 ビブラートをきれいにするには、大きさもさることながら 均等であることが大事です。不連続ではきれいに聞こえません。
トレーニングとして、ここでメトロノームを用意します。 四分音符=60くらいでいいでしょう。 4拍でまずはボーイングのUpDownが拍どおりにきちんと弾けること を確認してください。
まずは、1拍に1回ビブラートの動きを、うぃん、といれます。
拍の頭でかかることと同時に、ボーイングが4拍できちんと UpDownできていることに注意してください。 そして、均一にかけられたら、次は2回。 八分音符の間隔で二回均等に拍の中にいれます。
その次は3回。3連音符のように、うぃんうぃんうぃんといれます。 以下、4,5,6・・・回と増やします。この練習を 毎回1回からできるだけ多い回数を均等割りで拍の中に 収めていきます。 大きさは今はできるだけしっかりと大きいストロークで動かせること を心がければよいのではないでしょうか。


指が変わることによる連続性の練習

回数のコントロールができたら。次の段階は、 指が変わっても同じ回数でかけられるようにすることです。 やはり指の変わり目でビブラートが途切れるとちょっと きれいじゃないですね。

で。またもや、メトロノームが必需品です。 4分音符=60でも72でも86でもいいです。 日によって変えるのもいいかもしれません。
回数をきめます。まずは1拍に4回ビブラートを入れることに します。 拍にあわせてA線でシ→ドとビブラートをかけながら、 1指→2指→1→2・・・と2拍ずつで指(音)を変えます。
このとき指の変わり目や弓の返しで不連続にならないように ビブラートをコントロールします。

あとはバリエーションをいろいろ考えて、4→2とか1→3とか、 拡張の形とかいろいろやってください。 移弦も含む指使い、ポジション移動を含む、、、までいくらでも ありますのであとは適宜・・・

たとえば、シューベルト「未完成」。しーどーれ、が均一 にビブラートがかかるとフレーズも滑らかになります。 これが不揃いのビブラートだったり音の変わり目でビブラートが 止まってしまうと・・・(^^;

私の感覚からして四分音符あたりで3つか4つのビブラート回数がこの場合は 良いのではないでしょうか。


もどる